2024年、年頭にあたり

Text by 大桑 仁


私が7年前に代表になった時に掲げた経営理念は「スプーンに関わる全ての人を幸せに」でした。社員の幸せ、スタッフの幸せ、クリエイティブの幸せ、営業チームも、クライアントも、スプーンに関わる全ての人を幸せにすることを皆で目指すことが、結局自分たちの土台を強くするはずだと。これはスプーンが出来た時からずっと言われてきたことを私が言語化しただけですが、ここ数年を見ていると少しは効果があったのかなと思います。

今年スプーンが掲げたいことは、少し広げて、「日本の映像業界を健康に元気にする。」です。

映像プロダクションの使命は人の心にきちんと届く映像を仕上げること、つまり良い映像を作ることに尽きると思います。我々は表現者に一番近いところにいて、企画書では表現出来ないようなことも体感出来るポジションにいるからです。人の心に届く良い映像を作ることが出来て初めて次のステップに行けます。

日本には非常に優秀なクリエイター、アーティストがいますが、その彼らのチカラを本当の意味で世界に解放出来た事例はまだまだ少ないと思います。
プロデューサーは彼らが動ける大きな枠を作り、彼らと並走して中心にある大切なこと、伝えたいことを探し出し、集中して、とにかくまず良い映像を仕上げること。
そしてその映像を世の中の人に一番良い形で届けるにはどうすれば良いか考えることが次のステップで、その結果としてビジネスを構築するスタートラインに立つことが出来るのだと思うのです。

ただ現状は世界で勝負出来るような良いプロデューサーが日本にはまだまだ育っていないと思いますし、もちろん自分たちは全然技量が足りません。
でもきっと我々はもう少し広い世界を見てビジネスを構築する時期に来ているのだと思います。去年カンヌ映画祭で、カンヌライオンズで体感して私はいつにも増してそのことを深く考えました。

日本は映像業界だけでなく各業界に昔ながらの商習慣が存在します。それは今の時代にあっているのか、普遍的に世界から見て正しいのか間違っているのか検証もされず、ずっと続けて来た事だからと過去の商習慣を守ろうとしているのが現状なのかなと思います。
多分我々広告業界の映像プロダクションだけでなく、映画業界も、テレビ業界も様々な商習慣が存在するのだと思います。

ただ我々広告業界の映像プロダクションはそもそもの基本が海外の映像業界の仕組みと一番近い形をしていますし、コンプライアンスという名のもとに幾度も制度改革が行われて来た過去があります。

まずはあたりまえのことですが、この業界を健康に元気にするために、世界と同じように幸せに働き続けられる労働時間というものに諦めずに向き合い、働いた時間に対して技量に応じた正当なフィーを自分たちの分も含め主張できるか、まずスプーンはこのことを大切に動いて行きたいと思います。

2024年も皆様にとって良い年になりますように。


2024年1月9日
スプーン代表取締役・プロデューサー 大桑 仁


追伸
父の出身地の石川県でまた大きな地震が起こり、弊社出身の移住者も被災して、大きな飛行機事故が起こり、2024年は大変な始まりとなりました。
被災者の皆さんに1日でも早く普段の毎日が戻りますように。