どこでもごはん 第7回

Text by 渡辺 伸一朗

スプーン山荘の春 2021

社員の交流とリフレッシュの場として作られたスプーン山荘。
現在、定期的なメンテナンスや家族単位での滞在は継続していて、
wifiも完備しリモートワークも可能になったのですが、
「社員の交流」は控えている状況です。

そんな場が失われてしまったのは残念ではありますが、
コロナ禍でも季節は巡ります。
今回は山荘の春の様子をすこしでもご紹介できればと。

山荘の春は一帯が気持ちの良い新緑の匂いに包まれ
ウグイスやメジロの鳴声が響き渡り、
新鮮な山菜採りを楽しむチャンスです。

この辺りで山歩きをすると様々な山菜と出会えるのですが、
目玉は何と言っても「タラの芽」。
「タラの芽」はタラの木の先端に出てくる新芽のことです。
山に自生しているものもありますが、
近年は地元の農家の皆さんにお世話になって収穫しています。
料理しやすい女ダラ(メダラ)を畑の空いたスペースで育てており、
新入社員の研修キャンプでも何度か収穫を体験しました。


伸びすぎた木の芽は苦みやエグ味が強くなると言われますが
ぼくはそれくらいの方が好みです。
天ぷらはもちろんですが、茹でても美味しくいいただけます。
オリーブオイルで炒めていただくのも美味い!
採りたては最高!


旬の食材を楽しむ機会を得るたびに、
「四季のある日本に産まれて良かった!」と心から感謝します。
コロナ禍で産地からのお取り寄せ食材が今まで以上に増え
肉も魚貝も野菜も自宅で旬を楽しみやすくなってはいるのですが・・・
自宅の食卓では補えないものがあります。
産地の「空気」がどうしても食卓に足りないのです。

厚岸の海岸でいただく焼き牡蠣、
郡上八幡でいただく天然鮎の塩焼き、
京都でいただく若竹の木の芽和え、
思い浮かべるとキリがない!
(広島でお好み焼き、博多で皮焼、沖縄でそーきそば、
久慈駅でウニ弁当、阪神百貨店でイカ焼きも。。
旬に関わらず現地で食べる美味しいものの話は、また別の機会に。)


美味しいごはんに、産地の風景・匂い・風音や鳥の声、がプラスされると
「旬の食材」の幸せな味わいが更に深まります。
さらに、新鮮な山菜には ミネラル分やβカロチンがたっぷり。
頼もしい胃腸の強壮剤です。
山荘での旬のごはんは最高のリフレッシュです!

いつもの春なら新入社員も一緒に山荘に集合します。
社員みんなで周りにテントを張って焚火料理や
アコースティックライブなどで賑やかに楽しむのですが、、、
今は残念だけどとても無理。
大勢で楽しめないのはしょうがない。
それぞれが、
料理のレシピを増やしたり、
新緑の山を探検したり、
じっくりと読書に没頭したり。
スプーンメンバーはめげずに充電しています!